ねぶろぐ~詩と競馬とたまにウツ~

土~月は競馬予想、レース回顧をUPします。その他の日は俺の日常、日々の想いを綴った詩をUPしていきます。詩、競馬、ちょっとウツな方の閲覧をお待ちしています。

『アパカッ!』

第27回『アパカッ!』

S:ねぶさん、だいぶ髪が伸びたんじゃないですか?

ねぶ:そうだなあ。最後に床屋に行ったのは3ヶ月ぐらい前かな。

S:ロン毛にでもするつもりですか?

ねぶ:ロン毛……もはや死語じゃないの?

S:存在が死語みたいなねぶさんにそんなことを言われるなんて……。

ねぶ:死語の存在って何だよ?(笑) 死後の存在なら……って俺はまだ生きてる!バリバリのノリノリでフィーバーだよ!

S:やっぱり死語の存在じゃないですか。とにかく髪は切ったほうがいいと思いますよ。あ、あそこなんてどうです?

Sが指さした先には「タイガーアッパーカット」という看板があった。タイガーだけにトラのイラストもしっかりと描かれている。

ねぶ:尋常じゃないセンスを感じる。いや、もちろん悪い意味で、だよ。

S:既に尋常じゃないセンスなので問題ありません。

ねぶ:勧めたんだからSも一緒にカットしてもらうんだよな?

そういうとSの顔色が変わった。頬もひきつっている。

S:いや、僕はこれからバイトがあるんで……。

Sはタイガーアッパーカットからにげだした。しかし、ねぶにまわりこまれた。

ねぶ:Sが進めたんだから、さあ入った入った。ほら?見ろよ、総合調髪1500円だってさ。安いじゃん?

S:その安さが余計に怖いんですけど……。

Sを引きずるようにして俺たちは「タイガーアッパーカット」に入った。

店主:いらっしゃいませー。

服の上からでも筋骨隆々なのがうかがえる長身の店主が迎えてくれた。え?サガ○ト?店内には椅子が2つあったが、店内には店主以外の店員はいなかった。

サガ○ト:どちらさんから先にいたしましょう。

俺はSと目を合わせると言った。

ねぶ:一発勝負だぞ?

S:もちろん。ねぶさんこそ泣きのもう一回とかはないですからね?

ねぶ&S:最初はグー!ジャンケンポン!

二人が突き出した手の先は……。



俺がグー、Sはパーだった!

ねぶ:ゲッ!!!!

S:イヤッホゥ!!!!

なんてことだ……そういえば今月はロクなことがなかった。週に一度は電車の人身事故に巻き込まれるわ、お気に入りのジーンズが転んで穴空いちゃうし、そのほかいろいろ……。

○ガット:決まったようですね。では、勝ったこちらの方から。

サ○ットはそういうとSを席へと誘導しようとした。

S:へっ?

思わぬところから助け舟が出た。俺は無神論者だが、神はいたのだ!

ねぶ:さあ、勝ったんだからSが先な。お願いします。

S:はっ?

サガッ○は混乱しているSの手をガッチリとひいて、着席させた。そこで正気に戻ったSが叫んだ。

S:ねぶの裏切り者ー!!

ねぶ:おいおい、お店の中だぞ?静かにしろよ?

○ガット:お客様、お静かにお願いします。それに暴れますと危険です。刃物も扱いますから。

ねぶ:そうだぞ?S。

S:……。

Sは恨みがましい目でこちらを見つめている。しかし、ねぶは視線をそらした。

サ○ット:どういった髪型がお好みで?

S:……お任せで。

サガ○ト:わかりました。お任せください。世界各国で武者修行してきた腕をご覧に見せますよ。

ねぶ:あ、俺はちょっとタバコ買いに行ってきますわ。すぐに戻ります。

S:ねぶぅ!待て!待て!僕を置き去りにするつもりですか?

ねぶ:ちゃんと戻ってくるよ。当たり前じゃないか?

S:いや、その目はウソつきの目だあ!

ねぶ:では、またあとで。

Sが何かわめいていたが、そのままコンビニへ向かい時間をつぶすこと1時間。カットも終わったであろう頃、「タイガーアッパーカット」に戻った。店の前には……顔はガリ勉風なのに髪型はソフトモヒカン……サイドにイナズマ模様まで入っていた。

ねぶ:おお!S……ばっちり決まって……うひゃひゃひゃひゃ!

S:どーしてくれるんです!このアタマじゃバイトに行けませんよ!

ねぶ:ひゃひゃひゃ!でもさあ、お任せにしたからダメなんじゃないの?腕は確かだと思うよ、あのサ○ットさん。

S:それはそうかもしれませんが、僕の顔との調和を考えてないですよ、あの人!技術はさておき、僕の顔にこれじゃトラ刈りですよ!トラ刈り!

ねぶ:お店の名前が「タイガーアッパーカット」だからしょうがないんじゃない?うん、なかなかアッパーな感じが出てるよ。アッハッハ。

S:アッパーじゃないですよ!タイガー!これはタイガー!

その後も俺は笑い転げていた。

S:さあ、行きましょう。

ねぶ:へ?どこへ?

S:サ○ットさんが待っていますし。元々、ねぶさんの髪を刈りに来たんですから。

ねぶ:おい、ちょい待て!

Sは俺の手を引き、その先にはサガッ○似の店主が俺を手招きしていた。

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『グラスワンダー』

第27回『グラスワンダー』

 この頃、メガネをかけていても文字が見えにくい。現在、掛けているメガネは何せ8年も前に買ったもの。そろそろメガネを新調しよう。数日前からそんなことを考えていた。

 そんな折に一軒のメガネ店を見かけた。名前は『グラスワンダー』。「グラス」は分かる。でも、「ワンダー」ってなんだよ?どんな不思議なメガネがあるか気になったので暇つぶしがてらで入店した。

店員:いらっしゃいませ。

ねぶ:こんにちは。

 メガネ屋の店員だから当然、メガネをかけていた。「デキるOL」という雰囲気の店員さん。「デキる」と言ってももちろん「ナニがデキる」わけでもない。

店員:気になる商品があったらお声をお掛けください。

ねぶ:はい。

 陳列棚に目を遣ると、確かに不思議な……というか、うさんくさいメガネのオンパレードだった。まともなメガネは見当たらない。

ねぶ:店員さん?

店員:はい。いかがしましたか?

ねぶ:普通のメガネはないの?量販店で売っているようなものは。

店員:何分、個人経営の店なので、普通のメガネは大手の値段に敵いません。そういうわけでウチではヨソで扱っていないメガネを中心に取り揃えております。

ねぶ:なるほど。でも、これらは本当に効果あるの?

 俺は「透視メガネ」を手にとって尋ねた。

店員:もちろんですとも。掛けていただければすぐに分かることですよ。

ねぶ:どれどれ。

 そういうと俺は「透視メガネ」を掛けて、店員へと視線を送った。ピンク色の視線を。

店員:あ、お客さん、そのメガネをかけてこちらを見ないで……。恥ずかしい!

ねぶ:げ!

店員:イヤン、お客さん、こっちを見ないで。

 店員は顔を赤らめながら、胸と股間を腕で隠すようにしていたが、そんなしぐさは無意味だった。なぜなら名前に偽りなく、このメガネは衣服や下着を透視してみることができた。さらには皮膚や細胞も透視し、店員の骨格が手に取るように見ることができた。

ねぶ:皮膚も透視してしまうんだから、別に恥ずかしがる意味もないのでは?

店員:恥ずかしいに決まっているじゃないですか!身体の奥の奥まで見透かされるなんて、もうオヨメに行けない……。

ねぶ:そんなバカな(笑) だいたいこのメガネ、需要あるんですか?

 骨格を見られて「嫁に行けない」と言われても困ってしまう。メガネを外して尋ねてみると

店員:当店の売れ行きナンバーワン商品ですよ。主に医療関係の方がお買い求めになられます。

ねぶ:レントゲン代わり?

店員:そうです。

ねぶ:値段が書いてないんだけど、これはおいくらなの?

 値札には「Priceless」と記されていた。

店員:お買い求めになられる方の必要度に応じて相談させて頂いております。ご入用でしょうか?

ねぶ:うーん、保留で。

 透視力が強すぎてヨコシマな目的には不向きのようだ。

ねぶ:これはどういうメガネなんですか?

 俺が手に取ったメガネ。商品名は『ラブグラス』と記載されている。フレームはピンク色でいい歳の男が掛けていては気恥ずかしい代物ではある。

店員:お掛けになってみられてはいかがでしょうか?

ねぶ:恥ずかしいものではないの?

店員:視線を送る相手にもよるかと思います。

ねぶ:ほう。

 俺はそういうとピンクの『ラブグラス』を掛けてみた。

店員:どうでしょう?

ねぶ:えーっと、店員さんの姿がサーモグラフィーのように見えます。青や緑色の部分が多いですね。これは相手の体温を見るものですか?

店員:いいえ、これは相手の好意を視覚で見ることができる優れものなのです!

ねぶ:ということは青や緑色が多いのは……。

店員:お客さまが私の好みではないということです。

ねぶ:きっぱり言わないでくださいよ。傷つくなあ。

店員:あ、失礼いたしました。恋愛感情がないだけで、お客様に吐き気をもよおすような嫌悪感を抱いているということでは決してありません。

ねぶ:そんな説明されると余計に傷つくんですが。ちなみにコレはおいくら?

店員:29800円になります。お買い得ですよ。次回入荷時期も未定ですから。

 貧乏学生の俺にとって29800円は安い買い物ではない。

ねぶ:うーん、どうしようかなあ。

店員:わかりました。それではフェロモン入り香水もお付けします。

ねぶ:でもなあ……。

店員:お客さまには敵いません。それではさらに赤マムシドリンクをおまけします。

ねぶ:どちらもメガネ店と関係ないのでは?

店員:うちはチェーン店ではございませんので。

 そういう問題なのだろうか?しかし、俺は店員の押しに負けてしまった。

ねぶ:分かりました。じゃあ買います。

店員:ありがとうございます。アフターサービスもばっちりですので、何かありましたらいつでもいらしてください。

 買ったはいいものの使いどころが難しい。常用するにも恥ずかしい。ネタにはなるかな。そんなことを考えながら、俺は『ラブグラス』を納めた袋を提げて店を出た。

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『○○すぎる□□』

第27回 『○○すぎる□□』

ねぶ:こないださぁ「イケメンすぎるホームレス」って見出しを見たんだよ。

S:まだ「○○すぎる□□」って記事になるんですね……。

Sは飽き飽きしているといった口ぶり。わからなくもないけれど。

ねぶ:このパターンはなかなか廃れないのかもしれないな。○○と□□は無数にあるだろうしな。

S:無数にって言っても○○は「美人過ぎる」ばっかりじゃないですか。

ねぶ:だから、女性ばっかりじゃなくて男性も対象にして「イケメンすぎる」なんじゃないの?

S:なるほど。でも、容姿と職種はほとんど関係ないですよね。どんな職業にもだいたい美人やイケメンもブスもブサイクもどっちでもないのも混ざってると思うんですけど。

ねぶ:それを言っちゃあおしめえよ。

S:寅さんですか……?

ねぶ:もちろん。フーテンの寅よ。

S:ねぶさんの場合、「フーテンの寅」ではなく、「フーゾクのねぶ」だと思うんですが……。

ねぶ:ほっといてくれよ。

S:真実を言ってすいません。

すいませんと言っているSの目は笑っていた。上手いこと言ったと思っているのかもしれないが、座布団なんかやらない。俺はヤマダくんではないのだから。

ねぶ:それはともかくだ。ヒマだったからいろいろ新ネタを考えたんだよ。

S:ホントにヒマなんですね。ヒマなら授業に出てくださいよ。去年は出席を足りない分を大量のレポートで穴埋めしたんでしたっけ?

ねぶ:それもほっといてくれよ……。それと話のコシを折らないでくれ。

S:ハイハイ。で、新ネタって何ですか?「○○すぎる□□」の○○や□□ですか?

ねぶ:もちろん。まずはだな……「エロすぎる女教師」だな!

S:それ……どこのアダルトビデオですか?新ネタになってないですよ。

ねぶ:じゃあ、「ヤバ過ぎる看護婦」もダメ?

S:ダメに決まってるじゃないですか。女教師や看護婦さんに怒られますよ。そんなこと言ってると。だいたい何がどうヤバいのかわからないじゃないですか。

ねぶ:ナニがヤバいに決まってる。

S:決まってませんよ。それともう少し小さい声で言ってくださいよ。周りの目が冷たいんですけど。あとで「上手過ぎる脳外科医」に診てもらったほうがいいですよ、ねぶさんが。

周りの視線のみならずSの冷たい視線もまるでつららのように俺の心に突き刺さる。うがが。しかし、俺はへこたれない。

ねぶ:じゃあ……「真面目すぎる気象予報士」ってのはどうだ?

S:それこそ意味不明なんですが?元々、真面目な人が多そうじゃないですか?少なくともテレビで見ている限りでは。

ねぶ:いや、降水確率40%とか曖昧じゃない?当たるも八卦当たらぬも八卦みたいでさ。「明日の予報に予報士生命を賭けているんです」とか言ってくれればいいのにと思うんだよ。

S:逆にうさんくさいですよ。どこの政治家ですか。それは。

ねぶ:「明日は晴れ!100%鉄板!」とか「他の予報士は守りの予報で降水確率60%と言っているけど、私は曇り!絶対!雲は多いけど雨降らない」のほうが信用できない?

S:できませんよ。だいたい「鉄板」だの「守りの予報」って何ですか?それじゃ気象予報士じゃなくて、競馬予想屋みたいじゃないですか。

Sはあきれ返って吐き出すように口にした。

ねぶ:でも、それぐらいの覚悟で予報してもらいたいとは思うよ。外れても何の影響もないんだろうし。

S:それはわからんでもないですが……。

ねぶ:ダメ出しばっかりしてるけど、Sは何かないの?あるだろう?

S:イカれすぎた大学生……。

Sはボソっとつぶやいた。

ねぶ:なんだそりゃ?それこそ意味不明じゃないの。

S:目の前にいる人のことに決まってるじゃないですか。

ねぶ:ああ、自家発電のし過ぎでイカイカイカ臭い……ってほっといてくれ。



※言うまでもなく本作はフィクションです。実在の人物とは一切関係ありません。

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『ジョウオウサマにお乗り!』

第25回『ジョウオウサマにお乗り!』

店員:発売されてからかなり経っておりますし、走行距離も10万kmを超えてますし、手を入れる部分がかなり多くなりますねー。

ねぶ:それでおいくらぐらいになるんですか?

店員;そうですね。少なく見積もっても○○万円ぐらいにはなるかと……。

ねぶ:え?そんなに?ちょっと考えさせてもらってもいいですか?

店員:それは構いませんが、期限も迫っておりますので、できるだけお早めにご連絡ください。代わりの手はずなどもありますので。

ねぶ;はあ、わかりました。

 そうして、俺は店を後にした。長年、悪いところをごまかしながら乗ってきたが、そろそろ限界なのかもしれない。帰り道のコンビニで雑誌を手にとって立ち読み。眺めながらふと取るに足らないことが浮かんでは消えた。ただ、当たり前のようでいて、当たり前じゃないんじゃないかと思えた。

??:ねぶさん。

 呼ばれたので振り返ってみた。Mちゃんだ。

M:珍しく真剣な顔してどうしたの?

ねぶ:いやあ、もうすぐ車検切れでね。車検を通すべきか、車を買い換えるか悩んでたんだよ。

M:いっそ手放してのらないってのはどう?お金ないんでしょ?

 あまりにストレートな表現にナイーブでセンチメンタルでオリエンタルな俺はブロークンハートまで5秒前だ。

ねぶ:ま、まあ、カネはあまりないんだけれど、車があったら便利だしね。

M:ふーん、そうなんだ?それで中古車雑誌を眺めてたの?

ねぶ:まあね。俺の読む雑誌はエロ雑誌だけじゃないんだよ。

M:いや、聞いてないよ。

 Mちゃんは苦笑というよりは失笑していた。

ねぶ:で、雑誌を眺めていて思ったんだけどさ。

M:なに?

ねぶ:なんで、日本の車ってアルファベットの名前ばっかりなんだろうね?むしろ日本語を活かした名前のほうがインパクトありそうなのになあ。

M:インパクトはあるかもしれないけど、外人には覚えにくくて、発音しにくいんじゃない?

ねぶ:それもあるかもしれないけど、○○や■■みたいな名前じゃどこの国の車かわからんよ。

M:じゃあ、どんな名前ならいいの?

ねぶ:スキヤキ、ハラキリ、ゲイシャかな。

M:また、ふざけて!売れるわけないじゃないの!そんな名前じゃ。ハラキリって何よ。ハラキリって!いかにも事故に遇いそうじゃない。事故って窓ガラスで腹部を損傷して、内臓がメタメタになって……ああ、こわいこわい!

ねぶ:意外と想像力ゆたかだね(笑)

M:そう?でも、そんなイメージされてもおかしくないじゃない?

ねぶ:まあ、ハラキリだとそうかもしれない。じゃあ、サムライとかアシガルとかショウグンってのはどう?

M:あ、それならいいかも。アシガルはどうかと思うけど、ショウグンとか高級車っぽいかもしれない。

ねぶ:そうでしょ?女性好みの車ならジョウオウサマってのもいいんじゃない?

M:女王様?それならオキサキサマのほうが和風じゃない?だいたいジョウオウサマってどんな車なのよ?

ねぶ:そりゃあもちろん、ハンドルもシフトノブもシートも革張りに出来る部分はすべて本皮仕様でさ、ライトなどもSMマスクを彷彿とさせるような鋭い感じだね。標準装備のナビの音声は軽く言葉責めって感じかな。流行のエコアシスト機能も付いているけれど、燃費悪く走ったときなんて、「このブタ野郎!昼間の運転もできない粗チン野郎は夜の運転もヘタクソが相場なんだよ!」とかののしられちゃうの。さらには……。

M:……。

ねぶ:えーと、Mサン?

M:そういう話はSくんとしてください。アタシまで仲間だと思われるじゃないの!

 そう、ここはまだコンビニの中。店内のお客も冷たい眼差しをMちゃんに向けているようだ。

ねぶ:……ハイ。

M:だいたい、そんな車を出したら日本という国が勘違いされちゃうじゃないの?SM大国みたいに!

ねぶ:インパクトはあると思うけどなあ。フェラーリやポルシェどころじゃないね。

M:そんな恥ずかしいインパクトは要りません!

ねぶ:ハイ、スミマセン。

M:アタシは心配だなあ。ねぶさんが捕まるんじゃないかって。

ねぶ:いや、シートベルトはきちんとしているし、基本的に普段から酒も飲まないし、飲酒運転もありえないよ。

M:そうじゃなくて……交通違反じゃなくて、存在自体が歩くわいせつ物陳列罪として指名手配されるんじゃないかって。

ねぶ:無茶苦茶言うね……いくら俺でもそんなことは……。

ピーポーピーポーピーポーピーポー♪

M:ほら?あ、店の前にパトカー止まったよ?

ねぶ:へっ?

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『TPP』

『TPP』

ねぶ:AKBって「AKihaBara」でAKBだよな?

S:まあ、そうでしょうね。派生ユニットも同じような命名していますし。

ねぶ:NHKは「Nihon Housou Kyoukai」だよな?

S:そうですね。それが何かしましたか?

怪訝そうな顔をしてSは答えた。

ねぶ:じゃあさ……TPPは?

S:うぐ!なんでしょうね。でも、国際貿易の話のようですから、TはTradeのTなんじゃないですか?

ねぶ:ああ、JRAみたいなもんか。「Japan Racing Association」でJRAだから。

S:TPPもそうだと思いますよ。

ねぶ:で……TPPは?

S:わかりません!じゃあ、ねぶさんはTPPが何の略だと思うんですか?

問い詰められたSは半ギレ気味に切り返す。

ねぶ:わからないから訊いているんじゃないの。うーん、うーん、うーーーん。

S:ねぶさんだって何も出てこないじゃないですか。

ねぶ:「Timpo Panty Pikupiku」だな。

S:……。

冷たい眼差しでSは俺を見つめている。
S:それのどこが国際貿易と関係あるんですか?!

ねぶ:あー、セックスフレンドの国際化、パンティーの輸出入の促進という点で国際貿易と密接に結びついていてだな。それで……。

S:あー!もういいです。こんな会話をしていたら僕も仲間だと思われるじゃないですか?

ねぶ:つれないなあ。仲間じゃないか。

俺は笑顔でSの肩を叩いた。

S:ああ……TPPが何の略かわかりましたよ。

ねぶ:ほう。なになに?言ってみてよ。

S:That‘s Pink Peopleでねぶさんのことですよ。

ねぶ:なるほど。TPPとは俺のような人々……なわけないだろ。上手いこと言ったと思いやがって。座布団全部没収だ!

S:「笑点」じゃあるまいし、座布団なんてないですよ。

タッタッタッタッタ……。軽快なリズムの足音が聞こえてくる。

M:おはよー!ねぶさん、Sくん。

ねぶ:おはよ。

S:おはよう、Mさん。

M:なんの話をしてたの?朝から盛り上がっていたみたいだけど?

ねぶ:ああ、Timp……グホッ!

隣にいるSからみぞおちへのひじ打ちが飛んできた。だんだんSのワザのキレが増してきているなあ。

S:今、話題のTPPについて語り合ってたんですよ。

M:へえ。ニュースや新聞では見聞きするけど、あたしもよくわかんないな。貿易関係の話なのはわかるんだけど……。

S:Mさんだったら、TPPは何の略だと思います?

ねぶ:だから、それはTim……ウガッ!

今度は裏拳が飛んできた。Sはどこで修行してきたんだ?よろめきながら俺はベンチへと腰を下ろした。

M:ねぶさん、大丈夫?

S:あ、いつもの発作だから大丈夫でしょ。

Sはそういうとベンチに横になった俺に小声で話し掛けてきた。

S:勘弁してくださいよ。僕までエロ魔人だと思われるじゃないですか。

ねぶ:もう思われてるんじゃないか?

S:いいえ、思われてません!というわけでねぶさんはちょっと黙ってて。

ふぅー。俺は大きく息を吐き、SとMちゃんのほうへ視線を送る。

ねぶ:おっ!おっ!おっ!

ちょうどこの位置からはMちゃんのスカートの中がのぞき見えた。Sからの攻撃を食らったが、悪いことばかりでもない。これが「不幸中の幸い」「果報は寝て待て」ということか。昔の人はイイことを言っている。
そして、デリケートゾーンを包む布キレを見ているうちに、俺のウインナーがいつの間にやらビッグサンダーマウンテンになっていた。ふっ……俺もまだまだ若い。そんなことを思っていた矢先。マイジュニアに激しい痛みがあああああああ!!!
 
S:ねぶさん、ナニ、大声を出しているんですか?

ねぶ:ああああ!!ナニがあ!ナニがあ!

M:ナニがどうしたの?

学生A:あ、すいません。ボールがぶつかりましたよね。大丈夫で……ぎゃ!

学生はおびえた表情を浮かべている。

ねぶ:ボールがぶつかったんじゃなくて、ボールがつぶれるかと思ったわ!俺のこのキンボールがな!

ビッグサンダーマウンテンをおったてたまま、俺は激昂した。

学生A:アワワワ。すいませんでしたー!

ベンチの脇に転がるボールを拾うと学生Aは逃げ出した。しかし、回り込まれた。学生Aは逃げられない。

ねぶ:このキンボールの痛み辛み、どうしてくれようか!

M:ナニって股間の話だったの……って、なんで朝っぱらから妙なモンおったててるのよ!バカッ!

ねぶ:ああああああああっ!

Mちゃんは俺の股間にヒールキックをかまして、校舎のほうへと去っていった。その姿が校舎の中へと消える前に、壊れかけの俺のジュニアと俺の意識は遠ざかっていった。

M:いったいナニを考えてるんだろ。あの人。いつもいつも。

S:TPPって「Terrible Powerful People」の略だったのか……。

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